自然の恵みを活かした健康食品を提供するレイワコーポレーション

金沢大学環境健康科学 太田富久名誉教授・(株)レイワコーポレーション代表 向田社長

 

「人生100年時代」の構想が現実のものとなりつつある中、健康食品事業を進めるレイワコーポレーションは「人々が安心して口にできる安全な食品を提供したい」という想いから始まりました。同社の向田社長は、本当の意味での安心安全な食品を開発・提供するため、太田富久教授と業務提携を締結。
この記事では、健康食品を開発・提供するために奔走するレイワコーポレーションの向田社長と、太田富久教授の対談インタビューを通じ、どんな効能を持った製品開発を行っているのか、また今後のビジョンなどを詳しくご紹介します。

 

 

レイワコーポレーションと太田教授が共同開発した新商品とは

Q.今回新製品の共同開発をしていると伺いましたが、差し支えのない範囲で教えてください

取材に臨む向田社長と太田教授。

向田社長:

レイワコーポレーションでは年齢を問わず身体に良い食品を開発・提供していますが、今回企画している新商品のターゲット層は女性に重きを置いています。特に30代の頑張っている女性を応援するために、手軽に摂取できる形態で企画を進めています。その背景には、一口に健康食品といっても、摂取するために手間がかかって、「面倒だ」とに感じてしまう方もいる状況が挙げられます。そこで、レイワコーポレーションでは、「いつでも手軽に」をコンセプトに、忙しくても健康的な食品を手軽に味わえる製品を開発することにしました。

 

Q.新商品としてどのようなものを作っているのでしょうか?

取材に際し緊張気味の向田社長。製品開発にかける熱い気持ちと物腰の柔らかさが伝わってきます。

向田社長:

2020年の6月に販売を予定している製品は「クマイザサ青汁」をベースに使っており、太田教授と共同開発したものです。女性を中心に年間を通して身体の冷えで悩まれている方に向けて、しょうが麹とクマイザサを合わせた「CHILL-RU AOJIRU 温活」。肌荒れの悩みがある方用に、太田教授が特許を持っているハトムギエキスとクマイザサを合わせた「CHILL-RU AOJIRU美活」。寝付きが悪い、睡眠が浅いお悩みを持たれている方には、ペザン農園の完全無農薬のカモミールやグリシン等をクマイザサと合わせた「CHILL-RU AOJIRU眠活」。どの食品も一日を通して手軽に召し上がっていただけるように作りました。

 

Q.青汁を使った商品の特徴は?

向田社長:

「CHILL-RU AOJIRU」シリーズは、食べる青汁としてスティックタイプのゼリーにしました。仕事や家事で忙しくても、スティックタイプであれば、ちょっとした時間でも十分な栄養を手軽に補給できるのが特徴的です。忙しい朝、オフィスでのランチ、寝る前でもおやつのように召し上がっていただけます。
また、飽きることがないようにフレーバーにも注力しており、ジンジャーフレーバーやブラッドオレンジ、紅茶ベースにカモミール風味といったラインアップで提供する予定です。
今までの青汁のイメージを覆すような商品になると信じております。

 

Q.どういった効果が期待できるのでしょうか?

成分や薬効について丁寧に説明してくださる太田教授。

太田教授:

3種類の青汁寒天ジェルに含まれている生薬・ハーブ類の成分は、昔から繰り返し科学的に検証されてきています。有効成分を医薬品やサプリメントとして提供するのではなく、加工食品としてまとめ上げたことで安心して食べられる製品になりました。
古来、生加熱して干した乾姜は身体を温める薬効を持っていると言われていますが、温活青汁ゼリーの生姜成分にも同様の薬効が期待できます。乾姜と同じように体内温度を上げるショウガオール成分が豊富な発酵生姜は、血行を促進してエネルギー代謝を上げて深部体温を高めます。
次に美活青汁ゼリーのハトムギエキスですが、生薬ヨクイニンとして知られているハトムギは表皮細胞と真皮細胞を活性化する成分を含んでいます。皮膚の保全作用を示すビタミンB6やB12、葉酸と共に継続的に摂取することで美肌効果が得られます。
眠活青汁ゼリーに含まれるグリシン、テアニン、カモミール、ラフマ葉などは、いずれも精神の緩和やリラックス効果を示すことから、安静時の気持ちの安らぎや睡眠の質の改善・向上が期待できます。

 

レイワコーポレーションで扱っている健康食品について

Q.すでに販売されている商品も太田教授と共同で開発されたと伺いましたが、「脳覚」や「元気の源(げん)」についても教えてください

太田教授:

まず「脳覚」は、αGPCといって記憶を司る部分に作用する効果が期待できます。ある意味では活性化をさせ、ある意味では機能を低下させる効果があると研究で分かりました。αGPCは高齢者の方にとっての認知力や記憶力の維持を促し、若い人にとっては記憶力のアップに貢献します。そのため、若い人から高齢者にとっても健康に寄与する食品だと言えるでしょう。

 

 

次に「元気の源」ですが、αGPCだけでなくホスファチジルセリンが含まれているのが特徴的です。このホスファチジルセリンも脳機能の改善に効果があると考えられています。

 

 

Q.αGPCとホスファチジルセリンの違いは?

太田教授:

両者は効果を及ぼす場所に違いがあります。αGPCは、アセチルコリン系の神経伝達物質の元になるようなもの。ホスファチジルセリン、コリンも神経伝達物質に作用すると考えられていますが、神経伝達を維持・保全する作用が期待できます。どちらも摂取した方が脳機能にとって有効だと考えられます。

 

向田社長と太田教授の食品づくりにかける想い

Q.商品を作る上で、成分など特に重要視していることは何ですか?

一般の人でも研究成果を分かりやすく解説してくださるので、向田社長も気兼ねなくコミュニケーションが取れるようです。

向田社長:

第一に安心・安全ですね。例えば無農薬で育てられた食材の成分を積極的に使ったり、子供から大人まで家族全員で飲んだりできるものを作っていきたいと考えています。年齢や性別を問わず、人々の健康に貢献できる価値ある食品を太田教授と共に目指していきたいと考えています。

太田教授:

サプリメントは薬ではないので、副作用が極力ないような、あるいは避けられるような製品を作っていきたいですね。まさに向田社長が言ったように、「安全」っていうのが必須条件です。
私たちが狙っていきたいのは、サプリサプリしたような薬に関連するような成分を混ぜるなど「薬に近づけよう」という試みではありません。どちらかというと、天然由来の成分を使って食品に近いような形で「食べ物」という形でみなさんの健康に役立ててもらいたいと考えています。

 

Q.食品の成分はどういったものを使われていますか?

太田教授:

神経伝達物質系は大事ですね。先ほど申し上げた抗酸化力が期待できるほか、身体の活動を維持したり生活習慣をコントロールできたり、脂肪の蓄積を阻害したりするような作用があります。
薬は単一の化合物で作られることが少なくありません。しかし、私たちは副作用が出にくい食品に近づけるため、エキスのような状態で製品の開発・研究を進めています。
昔、ある製薬会社がカルテノイドの一種の成分を含んだ製品を作っていましたが、後々になって発がん性が見つかり、取りやめになった事例もあります。単一の成分にすると「良い」とされるものでも、副作用が出る可能性があります。私たちは単一の成分にまで精製せず、できる限りエキスに近い形で安全な食品を作ることを心がけています。

 

Q.「危険な食品を作らないため」に意識していることは?

太田教授:

ハトムギを例に挙げると、医学部の教授と共同で特許を申請しています。それも単一成分ではなく複合成分のものです。そもそも、食品は様々な成分で構成された複合体・複合成分です。場合によっては効きすぎて毒性のあるような食品の中でも、他の成分が入っていることで毒性が抑えられることもあります。
最近、「食べてはいけない食べ物」としてYouTubeに投稿されていたアクリルアミドも、これに当てはまります。食品を加熱することで生じるアクリルアミドは、単体の成分で見ると毒性や発ガン作用がありますが、食品の中に入っているアクリルアミドでガンになった人はいないのが実情です。
「脳覚」や「元気の源(げん)」に含まれるαGPCについても同様に、身体に良い成分を単一にしないことを心がけています。健康食品の効き目を落とさずに毒性や副作用を抑えるため、できるだけ複合成分で構成された食品を開発していきたいと考えています。

Q.太田教授はいくつかの特許を取得されていると伺いましたが、どんなものがあるのでしょうか?

イチゴポリフェノールは自身が研究された成果の一つ。

太田教授:

レイワコーポレーションの食品でも取り入れられている「ハトムギ」や「ソボク」など、これまでに取得した特許ですが、全部で40数種類以上になります。

 

レイワコーポレーションの今後の展望

Q.今後はどういった製品を展開していきたいと考えていますか?

向田社長:

現在、企画している食べる青汁「CHILL-RU AOJIRU」のように、安心安全な成分を使用し、企画段階からSDGsの達成を目指した商品展開をしていきたいと思っています。しかしながら、そのために価格が上がってしまうと大勢の方に購入していただくことが難しくなると思いますので、そこは企業の努力が必要だと捉えています。
将来的には、オーガニック系の食品やコスメを提供していきたいと考えていますが、お客様に安心して食べてもらえるよう十分な検証を行うため、開発や製品化のスパンは明確には定めていません。今回のインタビューで伺ったように、薬のようなものとは一線を画したビジョンをお持ちの太田教授と手を取り、社会に求められている製品を世に出していきたいと考えています。

 

 

現職
金沢大学名誉教授
金沢市異業種研修会館・金沢市ものづくり会館 館長

学歴
1969年3月 東北大学医学部薬学科卒業
1974年3月 東北大学大学院薬学研究科博士課程修了 (薬学博士)

主な経歴
1974年度-1976年度 Cornell大学 Research Associate
1976年度-1989年度 東北大学薬学部助手
1990年度-1993年度 東北大学薬学部講師
1994年度-1996年度:東北大学薬学部、助教授
1997年度-2011年度:金沢大学薬学部、教授
(医薬保健研究域薬学系)
2012年度-2016年度:金沢大学、金沢大学大学院特任教授
(医薬保健学総合研究科)
2012年度- 現在  :金沢大学名誉教授

所属学会
日本薬学会
(平成9年度学会賞選考委員、平成11、12年度代議員、
平成17-19年 度 学会誌編集委員)
日本生薬学会
(平成9年度-平成12年度 評議員、平成13年度 年会会長、
平成13年度-平成20年度幹事)
日本化学会
アメリカ化学会
日本補完代替医療学会(平成20年度-現在、理事)
日本菌学会(終身会員)
NPO北陸ライフケアクラスター(平成14-現在、理事長)

主な研究経歴
生理活性天然物の単離および構造解析に関する研究
代謝酵素制御物質の天然物化学的研究
抗ストレス科学の評価系を用いる機能性物質の探索
主な特許(他40件~)
スイゼンジナ(金時草)を用いた血糖降下剤
イチゴ由来の薬物代謝酵素阻害剤及びその製造法
ハトムギの葉茎を用いた食品及び医薬組成物
腫瘍またはヒト乳頭腫ウイルス性疾患の予防剤又は治療剤

 

 

 

 

 

 

太田研究所は「NPO法人北陸ライフケアクラスター研究会」の運営も行っております。